機能情報工学 研究室
齋藤敦史 准教授
分野 | センサ工学 |
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プロフィール |
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キーワード | センサ、計測技術、信号・情報処理 |
人の感覚を代行するセンサやその応用システムの開発
電子部品を応用したセンサによるにおい認識
研究室ではデジタル時計や携帯電話で使われている電子部品に工夫をして、においを数値化する、データを取得・解析しにおいを認識するといったシステムの開発を行っています。目に見えない嗅覚などの感覚は、数値データ化することが難しい概念です。においを数値データにすると、「花のにおいは甘い」「シトラスのにおいは酸っぱい」ということを座標で確認することができ、座標がない部分の数値を分析すれば新たなにおいの開発にも繋がります。また、においを数値化するとネットワークを介してにおいの情報を送ることができます。これに、受信先でにおいを発生させる「嗅覚ディスプレイ」を組み合わせると、香りを楽しむ商品をネットで購入する時にイメージだけでなく、スマートフォンやパソコンでにおいを確認しながら商品を選べるようになるかもしれません。私たちはにおいの情報とセンサを組み合わせ、今の世の中にない生活を豊かにするものを作りたいと考えています。
一人暮らしの高齢者を見守るシステム
人の行動は私たちの生活環境にさまざまな変化を起こしますが、研究室では、このような変化から人の活動内容を知ろうという試みも行っています。具体的には、においや温度、明るさなど、室内の雰囲気の変動をセンサで検出し、住人の行動を確認するシステムの研究です。活用例として考えられるのは、高齢者の見守りサービス。一人で暮らしている高齢者の室内にセンサを取りつけることで、「起きている時間なのに、長時間動きがない=何かあった」と判断して、素早く助けを呼ぶことが可能になります。離れて暮らす家族も状況を確認できれば安心なので、お互いにメリットがあります。研究は技術的に問題ないレベルにまで進んでいるので、今後は一般家庭に普及させていくことを目指します。これからも世の中に必要とされる情報を届けるための研究開発をしていきたいと思います。