移動通信ネットワーク 研究室
森野博章 教授
分野 | ユーザ参加型自律分散ネットワーク |
---|---|
プロフィール |
|
キーワード | 自動運転支援ワイヤレス通信、耐災害屋内ナビゲーション、コンテンツ配信ネットワーク |
端末同士が直接繋がることで生まれる便利な情報サービス
端末だけの通信で実現するサービス
現在は町中にWi-Fiスポットがあるので、どこでも気軽にインターネットを利用できますが、大勢の人が同時に接続すると繋がりにくくなります。私たちはパソコンやスマートフォンなどの端末だけでネットワークを構築し、通信状況を改善することで新たな情報サービスを提供したいと考えています。
例えば相手の端末が近くにあるなら、Wi-Fiから端末間のダイレクト通信へ自動的に切り替えることで、通信回線の有効利用やサーバーの負担軽減に繋がります。また、高速道路に入る前に、先を走る車と「この先は混んでいるから別の道を探すか、速度を落として進めば早く渋滞を抜けられる」という情報を車同士の無線通信(車々間通信)でやり取りできれば、渋滞の緩和に繋がります。研究では、問題解決に向けて仲間と議論する、アイデアを見つけるなどのプロセスを学ぶことが大切です。学生である今しかできない経験を、研究室で積み重ねてほしいと思います。
スマートフォンを利用した位置認識システム
スマートフォンなどの情報端末は年々、性能が良くなっていますが、研究室では端末そのものの機能を活かした研究も行っています。スマートフォンに内蔵のセンサーを使えば、階段を降りているのか、どの方角へどれくらいの速度で歩いているのかなど、持ち主の行動を検出することが可能です。
例えば持ち主がいる場所を出発点とし、センサーが検出した情報と建物の見取り図を照合します。そして、どの方向へどれだけ移動したかを一定間隔で推測・記録していくことで、GPSが届かない建物内でも持ち主の位置情報を取得できます。このシステムを応用し、スマートフォンだけで他の人と経路情報を共有できれば、初めて利用する場所でもGPSを使うことなく、迷わず目的地まで行けるようになります。このように、私たちはユーザー間の情報通信という視点から、社会で役立つ情報端末システムの概念も追究しています。