高周波通信デバイス 研究室

田中愼一 教授

分野 次世代ワイヤレスに向けた無線回路技術
プロフィール
出身地
大阪府枚方市
趣味
マラソン、歩き、歴史もの(本、テレビ)
学生の皆さんへ
何でもそこそこできるよりは、誰にも負けないと言えるくらい尖ったもの(スキルや科目)をひとつ持てるよう努力しよう。自信につながります。
キーワード 無線通信回路、メタマテリアル(人工電磁物質)、無線電力伝送

小さな無線機能回路でグリーン社会の実現に貢献

  • 高周波デバイス(発振器)
  • 無線電力伝送の実験風景

ワイヤレス通信機の「エンジン」の高性能化を追求

携帯電話の普及が始まって20年余り-通信速度は初期の10万倍を超えています。この目まぐるしい技術の進歩は、いかに大量の情報を電波に乗せるかというソフトの技術と、大量の情報を乗せて崩れやすくなっている電波の波形をいかにうまく制御するかというハードの技術が車の両輪となって支えています。その中で、ハードウェアとしての無線機において、電波を制御する「エンジン」の役割を果たしているのが、高周波デバイスと呼ばれる小さな機能回路です。

私たちは、電波を制御する回路に「メタマテリアル」に導入し、ユニークな特徴をもった高周波デバイスを生み出す研究しています。メタマテリアルとは、そこを通過する電波に対し、SFの世界に迷い込んだかのように「錯覚」させ、常識では考えられない不思議な電波の性質(負の屈折率等)を引き出す仕掛けです。例えば、これを街中にくまなく設置された携帯電話のアンテナ基地局に応用すると、基地局が全国規模で消費する膨大な電力を削減できることが期待されます。一見、環境とは関係のない無線技術ですが、グリーンIT社会の実現に貢献することを目指しています。

電波から効率よくエネルギーを取り出す

エネルギーや地球環境の問題との関連で注目されている無線回路技術は他にもあります。携帯電話は「いつでもどこでも」つながることを可能にしましたが、いざ充電となると私たちは固定電話のようにコンセントのある場所に縛られています。ところが、私たちの身のまわりに飛び交っている電波は、実は情報だけでなく電力も運んでいます。したがって、理論的には、たとえばテレビの電波があればスマホをどこでも充電できるのです。さらに、電力を運ぶという電波の性質を利用して、宇宙で太陽光発電した再生可能エネルギーを地球へ「送電」するという計画も検討されています。電力の供給をワイヤレス化する「無線電力伝送」は、近未来社会におけるエネルギーや地球環境の問題に対する一つのアプローチとして注目されており、電波から効率よく電力を取り出すデバイスの研究にも取り組んでいます。

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